内容説明
かつて、この国は貧しかった。男にも厳しい時代だった。だが、母性を保護し、女を守る工夫に満ちていた。従来の女性蔑視史観をくつがえす、「手の届く過去」からの英知の数々を紹介。
目次
序章 海女舟と田植の情景―民俗世界とジェンダー論
1章 女になる道
2章 嫁ぐ
3章 嫁の日々
4章 女の仕事と休日
5章 嫗への坂
6章 女の力と民俗信仰
終章 開かれる産屋―ラマーズ法の周辺
著者等紹介
野本寛一[ノモトカンイチ]
1937年、静岡県生まれ。國學院大學文学部卒業。文学博士(筑波大学)。近畿大学文芸学部特任教授・同民俗学研究所所長・柳田國男記念伊那民俗学研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雑食奈津子
5
この世に生まれ落ちた時点で何もかもわきまえていませんごめんなさい。 本書は女性が女性であることを受け入れる初潮について先達から学ぶことから、嫁となり、やがて姑となって若い者に世代を譲る様子を民俗学的な視点から語っている。こと女、となると、では、男性にもあるのだろうかと素朴な疑問が湧く。もしや現在、世間を賑わせているご高齢男性については、己の席を譲る民俗学的な風潮といったものが存在しなかったゆえに見苦しく喘いでいるように見えるのだろうか。うーん。女でよかった! 2月の生理痛に耐えながらの感想文。2021/02/04
tecchan
2
民俗学的な視点から日本人女性の一生を描いた作品。多くの古老からの聞き取りを中心に考察。少女期から、嫁ぎ、嫁となり、出産、そして嫗へと、日本各地に伝わってきた習俗が描かれている。2018/03/13