内容説明
満州事変から敗戦に至る“暗黒”の時代、軍部はどのような過程をへて政治への関わりを深めていったのか。そして文民諸勢力は、それぞれの局面において、いかなる形で軍部に抵抗し、妥協し、あるいは容認していったのか。本書は、「15年戦争期」における政軍関係の推移を丹念かつ実証的に辿ることで、この時代の全体像を鮮やかに浮き彫りにするとともに、明治体制下の政治原理を明らかにする。
目次
第1部 軍内の抗争と政治進出(軍部の政治的地位;軍内における革新勢力の形成;三月事件・十月事件と満州事変;政党政治の崩壊と軍内の派閥争い;二・二六事件)
第2部 幕僚政治と間接支配の定着(二・二六事件後の陸軍;陸軍幕僚の政治化;石原の満州派と政治介入の限界)
第3部 間接支配期の政軍関係(第一次近衛内閣と日中戦争;枢軸陣営への道)