出版社内容情報
法システムはいかなる構造をもつのか.社会と法はどのように関連しあっているのか.「法と経済学」をベースに進化論とゲーム論を主たるツールとして,法システムを大胆にモデル化し,法と社会の相互作用および秩序創発の問題に新たな視座を提示する.
内容説明
法現象の社会科学的分析とは!進化論の視座から免疫型システムとして法システムをモデル化し、ゲーム論をメイン・ツールに法と社会の相互作用のパターンを分析する。
目次
第1章 法システムの構造(法情報のフロー;法による社会制禦;免疫型システムとしての法 ほか)
第2章 社会的意思決定としての裁判(司法システム;事実認定論;法判断論)
第3章 法と社会秩序(社会的相互作用と社会秩序現象;社会秩序のゲーム論;秩序問題とゲーム論 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LM
2
【読書会】進化論、ベイズ意思決定理論やゲーム理論を用いて法を社会科学的に考察した著作。20年前の本とは思えないくらい先進的な議論が行われていて、スゴい本だと思う。僕が気になったのは、太田は法的社会制禦システムを免疫型システムのアナロジーとして考え、ゆえに法システムには「自己」を同定するシステムが必要で、ハートの「承認のルール」がそれに当たるとしている。ただ、ハートがそこまで強い主張をしていたかどうかという点と、太田のアナロジーの妥当性について測りかねている。いずれにせよ、面白い本であることには間違いない。2021/04/01