中公新書
日本型ポピュリズム―政治への期待と幻滅

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  • サイズ 新書判/ページ数 308p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121017086
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C1231

出版社内容情報

高まり続ける政治不信の中に現れた小泉・眞紀子ブーム。メディアとポピュリズムに鋭利な分析を加える。

内容説明

日本における政治不信の増大は著しいが、一九九〇年代以降何度か、突発的な人気を得、政治への期待を極度に高めた政治家が現れている。ブームを巻き起こした、細川護煕、菅直人、石原慎太郎、田中康夫、加藤紘一、田中真紀子、小泉純一郎らである。そこには、報道番組やワイドショーなどマスメディアとの相互作用があった。本書は、こうした政治現象をポピュリズム概念を用いて分析し、日本政治の変容を明らかにする。

目次

序章 「政治改革」とは何であったのか―一九九〇年代政治の帰結としての二〇〇〇年総選挙
第1章 派閥政治の終わりの始まり―「加藤の乱」にみる自民党内権力構造の変容
第2章 国民投票的首相選出の実現―小泉純一郎の自民党総裁当選
第3章 日本におけるネオ・リベラル型ポピュリズム―小泉総裁誕生の比較政治学的考察
第4章 戦略なきポピュリスト政治家―「真紀子旋風」と「真紀子騒動」
第5章 テレビニュースの変容―日本におけるポピュリズム登場の背景として

著者等紹介

大岳秀夫[オオタケヒデオ]
1943(昭和18)年、岐阜県に生まれる。京都大学法学部卒業後、東京大学大学院博士課程修了。シカゴ大学、ハンブルク大学、パリ政治学研究所に留学。専修大学助教授、東北大学教授を経て、現在、京都大学法学部教授。政治課程論担当
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

19
メディアとポピュリズムの関連はその通りだと思います。しかし日本の政治・マスコミは昔から今までポピュリズムにはしっているように感じますので、今後もポピュリストがもてはやされると思います。2024/02/11

2
田中眞紀子のことを全然知らなかったのだけど、今こういう女性が出てきて自民党のよく分からないおいじさま達をボロクソに貶し始めたらワーッと思って応援しちゃいそう、気をつけよう…と思った。小泉のこともよく知らなくて、計算づくの演出に長けた人だと思っていたけど、印象が変わった。2021/08/08

はちめ

2
日本型ポピュリズムというタイトルだが、ワイドショーなどの情報番組が政治に与えた影響といった内容だ。ヨーロッパの極右政党や米国のトランプ大統領は既存の政党やエスタブリッシュメントに排除された人々を、単純かつ短絡的な政治目標を掲げることによって成功しているのであるが、田中真紀子の場合は政策的中身は全くないものをワイドショーによるイメージの捏造を行っているというものだ。まあ、日本型と銘打ってあるのでこれはこれで良いのかもしれないが。☆☆★2018/04/09

深窓

2
付録1「京都府知事選にみる都市vs.農村、改革vs.抵抗」を読了。吉田和男先生の府知事出馬を巡る顛末が興味深かった。2014/02/12

おらひらお

2
2003年初版。政治の本は内容が早く古くなると思っていましたが、本書は約10年後の今日でもしっかり読めるものでした。マスメディアの影響で有権者が善玉・悪玉の二元論に落ち言っているとの指摘は納得できるものありです。だけど、日本のポピュリズムは今日、ますます進行しているような気もします。個人的には鄧小平の白猫黒猫の話の通りだと思っているのですが。それにしても、田中真紀子はきつい。2012/03/26

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