中公新書<br> 戦中ロンドン日本語学校

中公新書
戦中ロンドン日本語学校

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  • サイズ 新書判/ページ数 287p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121008688
  • NDC分類 390.7

内容説明

太平洋戦争中、ロンドン大学の東洋学部で約650名の特別に選抜された学徒兵たちが、短期間のうちに日本語をマスターすべく特訓を受けていた。その目的は東南アジア戦線での日本語通信傍受、押収書類の翻訳、捕虜の訊問などであったが、本書はその実態を明らかにし、彼らの日本占領に果した役割、さらには戦後、日本学者、外交官、実業家として日本の国際社会への復帰、日英関係改善に貢献した歴史を、克明な取材を通して再現する。

目次

第1章 日本語特訓の開始
第2章 日本語コースのあらまし
第3章 特訓の日々
第4章 戦場の日本語学校卒業生
第5章 終戦後の東南アジアで
第6章 日本進駐軍への参加(ウィリアム・エバンズ―GHQ勤務;ヒュー・コータッツィ―中国地方での勤務;L.A.ラドボーン―広島県での勤務;イアン・ニッシュ―中国、四国での勤務)
第7章 日本語教育の評価
第8章 日本語学校の教官と卒業生たちの戦後(日本語特訓コースの終り;フランク・ダニエルズ夫妻の戦後;簗田銓次の長かった戦後;美しく燃えつきた伊藤愛子;翻訳第五期生の戦友会)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

印度 洋一郎

3
第二次大戦中、イギリス軍が作った、日本語の読み書きが出来る人員を養成する「日本語学校」についての本。開戦当時、英軍には日本語が出来る者がほとんどいなかったが、イギリス人にとって言語的に距離のあり過ぎる日本語の習得は困難を極め、通訳だけとか翻訳だけという能力を限定した養成も成された。教師には在英日本人もいて、若い女性もいた。ここで育成された若者達は、戦後外交官や学者になった者も多かったという。実際、戦地で日本兵を尋問しようと日本語で話しかけると、驚いて固まってしまう兵が多かったというのは興味深い2015/08/11

たまこ(こなぎ)

0
一気に読んでしまった。 第二次世界大戦中にビルマで日本軍と戦うにあたり日本語を理解する軍人を育てることが急務になった英国。アメリカ・カナダが移民2世を日本語通訳としたのと違い英国が国として日本語教育を行なった記録。 1年半ほどのコースで翻訳尋問できるまでの語学力に。よく考えられたカリキュラムと熱心な生徒と講師がいて成し遂げられたものなのだと感服しました。 そして卒業生たちが、戦後民間人として、英国で日本文化研究、日英でビジネスに活躍されたことも大きな成果だったと思います。2022/11/20

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