内容説明
古典古文には使用されており、また終戦までの学校教育には採用されていた歴史的仮名遣い―いまの「現代仮名遣い」にもその姿をとどめている歴史的仮名遣いは、いつ、どういう原理に基づいて成立したのだろうか。本書では、定家仮名遣い、契沖の仮名遣いをへて近代初めに定式化されるに至る道筋を辿る。
目次
1 仮名遣いはなぜ起ったか―いろは歌の成立とその展開
2 仮名遣いの説の始まり―定家仮名遣いの出現
3 中世における仮名遣い説の諸相―定家仮名遣いへの追随と批判
4 仮名遣いの説の大転換―契沖の仮名遣い説
5 歴史的仮名遣いの発展―契沖説の継承と考証の深まり
6 字音仮名遣いについての研究―漢字音研究の仮名遣い説への導入
7 明治時代以後の仮名遣い―歴史的仮名遣い飛躍的普及