出版社内容情報
読める、わかる――21世紀の小林秀雄。
ゴッホは生涯、膨大な手紙を書いた。常に自分自身であろうとして、自分自身を日々新たにしようと心を砕いた、その痛切な軌跡を読む「ゴッホの手紙」。他に「ギリシア・エヂプト写真紀行」等。
内容説明
ゴッホは、弟テオに、膨大な数の手紙を書いた。常に、自分自身であろうとして、日々、自分自身を新たにしようと心を砕いた。彼の手紙は―、告白文学の傑作だ。
目次
昭和二十七年(埴輪;ゴッホの手紙;自分の本)
昭和二十八年(井上友一郎「桃中軒雲右衛門」序;エヂプトにて;モーツァルトを聞く人へ;ギリシア・エヂプト写真紀行)
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散歩中
3
絵の仕事を狂気に対する避雷針と呼び、生涯1枚しか売れなかった人。兄を援助した弟との600通以上の手紙。こういう生き方しかできなかった不幸。生きるのがどんなに苦しかったことか。30年以上積ん読していたが、意味は半分も分からず小林秀雄の熱のある文章とゴッホの火山のような制御し難い狂気を抱え精一杯生きようとした姿に揺さぶられて読了しました。非凡だが何かに憑かれた人。2016/02/07
梨
2
☆☆☆☆☆身交う2023/08/12
名無し
2
『ゴッホの手紙』を読んだ。2023/04/21
masanari
2
何を書くかを書きながら考えるという小林の文体は長編には向いてないのかも。引用が長すぎてもはやゴッホの手紙の抄訳に小林がコメントをつけるという印象。ゴッホの生涯が知りたいなら他の本の方が読みやすいし、本書はあくまで初期の評論に感激した小林ファンが読むものだろう。しかしゴッホの手紙の中にあるわずかな小林の考察は相変わらずかっこいい。「(ゴッホの絵画は)新手法が試されたのではない、同じ着想が太陽に灼かれたのである。」2019/08/13
たつや
1
文庫本で読了。小林秀雄がこんなにも絵画に詳しい人だということに驚いた、でも、小林秀雄を通して、深く解釈できた気がする。ゴッホはまだ深い。「僕が一枚の絵を鑑賞していたことは確かでない。むしろ、大きな目に見据えられて動けずにいた様に思われる。」この部分が好き。それと、対談で「まてまて、」という小林秀雄に笑った。音声で聞きたい。2021/04/30