新潮文庫<br> 楽園

新潮文庫
楽園

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  • サイズ 文庫判/ページ数 347p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101438115
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

いつかきっとめぐり逢える。この想いがつづく限り―。太古のモンゴル砂漠で暮らしていた男女が、他部族の襲撃により離れ離れになってしまった。伝説の赤い鹿の精霊に導かれた男は、最愛の妻を追う。そして18世紀の南太平洋の小島で、現代のアリゾナノ地底湖で…。一万年の時と空間を超え、愛を探しつづける壮大なファンタジー。第二回日本フアンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とくけんちょ

65
壮大な歴史の中で語られる純愛。歴史に翻弄されつつも、いつの時代も赤い鹿が拠り所となり、惹かれあう男女。時に太古、大海賊時代、現代の三つの時代を通して、物語は語られるファンタジー。リングやらせんの作者のデビュー作。読み終わり、三十年前の作品かぁとひとりごちた。2020/11/01

ntahima

46
我々モンゴロイドの地球を舞台にした『グレートジャーニー』を縦糸に、『運命の赤い糸』を横糸にして織り成す超時空ファンタジー。新大陸への旅、南の楽園への旅、そして砂漠の地中湖への旅の三部構成。著者の出世作『黒い家』とは全く異なる読後感である。本作が人類の過去・未来への肯定の物語であるのに比べ、『黒い家』では人間の心の闇が執拗に描かれる。創作作品としては非常に楽しく読んだ。但、脇役重視派の私としては、主人公達を旅立たせる為だけに死んでいく人々の扱いに最後まで馴染めなかった。個人的には運命より自由意思を信じたい!2012/06/07

とも

38
「らせん」に引き続き鈴木光司さんのデビュー作「楽園」 間に他の作家さんを挟むべきかなぁ…カタカナの名前ばかりの物語は苦手なんやけどなぁ…とあまり気乗りしないまま読み始めたけど、なんのなんの予想以上の面白さ。思いっ切り引き込まれました。「え?デビュー作やんね?」と。「リング」や「らせん」よりこっちの方が圧倒的に好き。 短編集かと思いきや「赤い鹿の精霊」がキーワードとなり連綿と時の流れが刻まれ、愛への探訪が繋がりをもって描かれている。参りました。2021/11/25

カムイ

37
ファンタジーも書いてのるね、リングやらせんなどのホラーが代表的な作家さん、そしてデビュー作でもあるこの作品、3つの物語で一大ロマン特に二章での南海の島での物語は噎せる様な熱気を当てられた、極上の読書であった、またリングも改めて読みたい★4・5点2019/10/06

Tetchy

30
第1部の紀元前の遊牧民の暮らし、第2部の大航海時代の南の島の話、第3部は一転して現代のニューヨークが舞台。三つの物語で共通するのは太陽に向かって跳躍する赤い鹿の絵。これが1万年の時を越えて、二人の男女の絆として引き継がれる。そしてその一族の細胞として宿るのはその至上の愛の遺伝子。つまりものすごいロマンティックな物語なのだ。この作家、こういう一見無関係な表題を組み合わせて物語を作るのが非常に巧いと感じた。作者としてすでに書くべきテーマがあったのだろう。あとはそれを放出するだけの機会を待っていたという感じだ。2010/02/04

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