講談社選書メチエ
南朝全史―大覚寺統から後南朝へ

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062583343
  • NDC分類 210.45
  • Cコード C0321

内容説明

謎多き南朝。その実像は、政治・文化的実体をともなった本格政権だった。劣勢を余儀なくされながら、吉野山中になぜ長きにわたり存続できたのか。あらゆる史料を博捜し、「もう一つの朝延」二〇〇年の全過程を明らかにする。

目次

第1章 鎌倉時代の大覚寺統(大覚寺統の成立;両統対立の開始;両統対立の展開;両統の相剋)
第2章 建武の新政(綸旨万能の成果と限界;軍事指揮と恩賞宛行;王統からみた建武の新政)
第3章 南朝の時代(南北朝の併立;後村上天皇の時代;長慶天皇の時代;後亀山天皇と南北朝の合体)
第4章 南朝を読みとく(南朝史料としての『新葉和歌集』;南朝の組織と制度;南朝と地方との関係;大覚寺統傍流の末路)
第5章 後南朝とその終焉(後南朝の皇胤たち;室町幕府の内紛と後南朝;両統迭迭立の終焉)

著者等紹介

森茂暁[モリシゲアキ]
1949年生まれ。九州大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程修了。福岡大学人文学部教授。専攻は中世日本の政治と文化
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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mitei

324
主に南北朝時代について書かれた1冊。中々南朝側というかこの時代について書かれている1冊というのが少ないので面白く読めた。鎌倉時代から火種はあったし、室町幕府になってから長きに渡り影響を与えていたことを初めて知った。2016/11/27

bapaksejahtera

13
南北朝の分裂期の政治的な動きを中心に、南朝の残照が絶える迄の150年を天皇公家高僧による政治史中心に追う。後南朝自体の記述はさほど長くはないが、南朝の残存した威力分析に話題を絞って極めて解り易い。上皇は治天の君として鎌倉期以降も長く力を持った。武士の権力の及ばぬ寺社公家層に対し叙任叙位等人事権や裁判権を振るう。これが禁闕の権威として現実心理上の力を武家政権にも及ぼした。後醍醐新政の特異性としての綸旨の連発とその効果的利用。時に伝奏者を介しない直接の勅意の伝達は割拠する在地武士層・悪党に大きな動力を与えた。2023/06/30

nori

10
It is too academic for me. If there would have analysis in the point of through history such as influence of 元寇, it should be nice. Also, for my poor knowledge, I could not fully understand for context of unification of north and south dynasties.2017/03/20

スターライト

6
学生時代に習った日本史では、北朝・室町幕府側の視点からの記述だった気がするので、南朝の萌芽・成立・発展・北朝との合体・残存勢力=後南朝の策動と完全な消滅までを南朝側から俯瞰した本書は新鮮だった。著者が『新葉和歌集』を中心に、自ら入手した綸旨や他の資料を丹念に紐解き、南北朝時代が北朝・幕府と南朝の対立に事態は単純化できるものではなく、武家・公家間とそれぞれの内部に宿る複雑な対立・抗争、あるいは幕府側の天皇を利用する策略などが錯綜した混沌とした時代であることがわかった。2022/07/15

のれん

5
全体的に現代研究で語られる史実においての南朝の実像を、言葉を砕きながら解説し、分かりやすい入門書として形作っている。 歴史背景だけでなくその影響も丹念に説明しているため、交通史や経済史などもっと踏み込んだ歴史も知りたくなってしまった。 足りないと思わせられたのだから入門としては満点をあげるしかない(笑)2018/11/18

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