感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スミレ雲
4
【図書館本】オスマンのことを知るのって、楽しい。トルコ展を見てから、トルコにとても関心が高まり、持続している。2019/09/07
天茶
3
★★ オスマン帝国(=「トルコの脅威」)の存在が「ヨーロッパ」世界とアイデンティティを形成させた、というのはなんとなくそうであろうとは思っていたが、本書ではそれを具体的に検証する。だが、個別の事例が与えた影響については異論ないものの、枝葉の議論に終始しているようにも思えた。「トルコの脅威」の存在そのものが「ヨーロッパ世界」の形成を促したのではなく、個別の出来事の積み重ねこそ「ヨーロッパ世界」を構築したと捉えるべきなのか? あまりこの分野に詳しくないのでこれ以上はよくわからない。2020/12/07
富士さん
3
ヨーロッパの、体に規律を求める類の文化がどこから生まれたのか知りたくて関係ありそうな本を手に取っているのですが、そんな研究ないのかこの本も近いところにありながら明快には語ってくれませんでした。思想や芸術がイスラム経由なのに、集団的な軍事がローマから直接というのはちょっと理解しがたいのです。どちらかというとオスマン帝国勃興史といった趣の本なので、多くを求めなければ楽しめると思います。少なくとも、塩野七生さんはじめヨーロッパ的優越感を下地に持った地中海史が目に付く中オスマン帝国中心の本書は意味があります。2013/02/13
印度 洋一郎
3
中東に覇を唱えた大帝国オスマン・トルコを、ヨーロッパとの関係という視点で考察。まず、そもそもトルコ人がどこから来たか?という起源から、オスマン朝勃興までを概説。その後、オスマン朝がヨーロッパへ関与を深め、いかにヨーロッパの政治や経済、文化へ大きな影響を与えていたがわかる。と言うか、オスマン・トルコは事実上ヨーロッパの大国であり、17世紀辺りまではその政治の中心的な存在とも言える。オスマン以前のイスラム帝国もそうだが、現在のヨーロッパ文明は地中海文明圏の影響で誕生したのに、ヨーロッパ史は意図的に無視している2011/04/06
牛タン
2
内容:近世ヨーロッパが恐れ抱いていた<トルコの脅威>の実態をオスマン帝国とヨーロッパの両方の視点から探る。時代的にはテュルク系民族が草原からアナトリアに至るところから、オスマン帝国の最盛期、そしてスレイマン一世死後のオスマン帝国の衰退まで。プロローグとエピローグでは、国力に満ち、民族的多様性の色濃かった時代のオスマン帝国の「トルコ行進曲」が、国力衰退後のナショナリズム的色彩を帯びた「トルコ軍楽」へ変容する様子が描かれる。 感想:オスマン帝国がヨーロッパ諸王朝と巧みに外交を繰り広げる様子が面白かった。2017/03/10
-
- 和書
- 約束された移動