内容説明
「ぼくは生れて眼に麗色をみることを、ことのほか喜ぶ癖をもっている」―この告白ではじまる「愛婉癖」の由来を、幼き日の古き良き東京の風景の中に、長じて友との遊興の中に、また戦時下の北京の生活の中に追懐する“ヴィタ・セクシュアリス”。中国文学者、粋人奥野信太郎が、明治・大正・昭和と移ろう都市風俗と男女の道の風流を、滋味あふれる文体で描く随筆集。
目次
童情縹緲録
暁鴬因縁
深巷雑談
緑蔭の記
雲漠々
花寂々
潮来竹枝
借中秋記
旧雪雑記
故都芳草
幽燕悲愁
山河在
著者等紹介
奥野信太郎[オクノシンタロウ]
1899年生まれ。1920年(大正9年)4月、慶応義塾大学文学科予科に入学。1925年(大正14年)5月卒業。1968年(昭和43年)死去
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