内容説明
明治四十四年、蘆花「謀叛論」を一高で演説。与謝野寛「誠之助の死」、佐藤春夫「愚者の死」発表等、大逆事件は大きな衝撃を与え、啄木は思想的変革を来たし、『呼子と口笛』ほかを書き始めた。虚子と碧梧桐の対立。久保田万太郎ら「三田文学」の新人登場。漱石の推薦で、秋声『黴』、長塚節『土』連載。文壇的新たな一様相を端的に描出。
感想・レビュー
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iwasabi47
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伊藤整連載分はここまで(単行本編集は別人)啄木はそろそろ倒れるし、藤村は姪御の件直前。2021/01/29
AR読書記録
2
伊藤整が生前に残したものはここまで。合掌。日本人の私小説(ばやり)の系譜というのはちゃんとおさえておきたいものだと思うけど、ついに島崎藤村のあれが、近づいてきているよ。妻を亡くし、姪が手伝いに入る生活が始まった...というとこで今巻おわり。次か。2016/01/14
rbyawa
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j089、全24巻のシリーズだが遺作でもあるのかな? 伊藤整の書いた部分はここまででこれ以降は瀬沼茂樹が書くらしい、…あの人ならいっか、というのが多数派意見だったんじゃないのかな(書いたもの読んだ身としても周囲の人としても、旧友らしいこともあって)。「反自然主義」という表現はいまいち掴みかねるところがあったが、『新小説』とはまた別に同人誌4誌が集まった会合がそう呼ばれたのはまあわかる、要するに自然主義以外の新人が厳しいってのはかなり強固なものがあるしね…既存作家は各雑誌見てると言うほどでもないんだよな…。2019/08/06