内容説明
女は仕事が総てではない。きょう1日を生きた、という手応えを、愛においても、仕事においても、生活においても欲しいのである―。心に残る人と旅の思い出、美とのふれ合い、趣味の楽しみ。著者が生れ育った下町の暮しと、移りゆく世相への哀惜をこめて綴る63編。芝木文学の素顔を伝える名随筆集。
目次
四季の眺め(菊坂70番地;湖北残雪;愛犬たち;パリの散歩;初釜;上野の牡丹園へ;下町の粋;ヴェニスの眺め;貝紫の帯 ほか)
美とのふれあい(ボストン美術館の能衣装展を観て;李朝のやきもの;日本の美 ほか)
旅に想う(京都折々;故宮の陶磁;ブーローニュの森で ほか)
人の印象(パリの荻須画伯;三岸節子さんのアトリエ;野上弥生子先生 ほか)