講談社学術文庫
仏教の倫理思想―仏典を味読する

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  • サイズ 文庫判/ページ数 206p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061597600
  • NDC分類 183
  • Cコード C0115

内容説明

仏教が興って二千五百年余。この間、仏教は大乗と小乗とに分かれ、大きな差異も生じたが、仏教のもつ高度な倫理性が、両者に共通するテーマであることに変わりはない。本書では、無執著に徹せよと説く『スッタニパータ』『金剛般若波羅蜜経』、高邁な志を抱けと教える『法華経』という三つの代表的仏典に即して、仏教の核をなす倫理思想を解き明かす。

目次

1 ただ独り―『スッタニパータ』「犀の角」
2 高貴な道―『法華経』「方便品」より
3 無執著―『金剛般若波羅蜜経』より

著者等紹介

宮元啓一[ミヤモトケイイチ]
1948年、東京生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院修了。インド哲学、インド思想史専攻。博士(文学)。國學院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

6
経典を読み得心し、生活倫理に活かせば立派な仏教徒(6ページ)。葬式仏教との自省もあるが、セレモニーではなく、実質が問われるのは日常茶飯だろう。出家するには人情に背を向け、非人情に徹すること(28ページ)。なかなかできたことでない。愛は執着の極み(31ページ)。教育の目的は自己教育できる能力を身につけさせること(36ページ)。同感。小学6年のとき、評者も齋藤教頭から誰も見ていなくても努力することの価値を教えられたのを想起した。少欲知足(40ページ)。無欲に誠実に生きる(42ページ)。流行語 金 の年の最後。2012/12/31

in medio tutissimus ibis.

4
これが仏教の思想であるに疑問はなくとも、「倫理」であると言われ戸惑ったのは私だけではあるまい。倫理とは社会の中で生きる術であり、和をもって貴しとなし、つまりは他人を慮る事ではなかったか? 犀の角のようにただ独り歩み、己の誓いをかたくなに守り、感覚や他者への執着を捨てる――それもが、否、これこそが倫理であるとの断言は、私を動揺させる。倫理が主体的な選択であることはここに初めて知った様に思う。そして、その事が私の倫理的な限界であった事も。つまるところ、私は私の知る倫理に対し考えなしにやみくもな信心をしていた。2018/11/07

トッシー

2
仏教とはどんな思想だろうと思った時の入門用にこの本は向いていると思う。2011/05/15

やまえつ

1
この本は三部構成になっていて第1部がスッタニパータ「犀の角」、第2部が妙法蓮華経「方便品」、第3部が金剛般若波羅蜜経を題材にして、仏教の倫理思想を解説したものである。じつはそれぞれの部のタイトルがその経典の倫理思想をそのまま表していて、それを経典を解説しながら説明したものである。正直2部と3部は倫理しそうなのかなぁという疑問がわく。蛇足だったのではなかろうか。また、話に脱線が多い。繰り返しが多いのは著者も「はじめに」で書いている通りである。最後に、著者は常住不変の自己が存在するとしているが、私は懐疑的だ。2010/10/23

晩鳥

0
「仏教でいう信心とは、やみくもな信心ではなく、理念と理屈をなるほどと完全に納得した上で得られる信頼感(疑念がなくなること)のこと」「経典を読んで得心がいき、得心したことを自分の生活倫理に活かすことができれば、それだけでも立派な仏教徒です」2018/11/24

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