講談社学術文庫
江戸・東京の中のドイツ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 236p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061596290
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0121

内容説明

江戸期から近代にかけて、江戸・東京を舞台に活躍したドイツ人は数多い。「八重洲」にその名を残すヤン・ヨーステン、帝都改造計画に参画したエンデとベックマン、帝国ホテル繁栄の礎を築いた支配人フライク兄弟…。日・独交流に献身し、わが国の発展にきわめて大きな役割をはたした彼らが、江戸・東京に残した軌跡を探索し、その事績を検証する。

目次

八重洲とヤン・ヨーステン―開創期徳川幕府の外交観
大砲鋳造師ブラウンによる麻布試射―鎖国直後の日本をめぐる軍事
日本橋長崎屋に止宿したドイツ人―ワーヘナールと有田磁器の輸出
ビーダーマイヤー期のウィーンで読まれた江戸戯作―柳亭種彦、プフィッツマイヤー、カネッティ
万延元年の未解決刺殺事件―ヒュースケン暗殺をめぐる国際環境
谷中のリッテルと川上音二郎の記念碑―学術と演劇の架け橋
考古学発祥の地大森と小シーボルト―発掘と日本人起源論をめぐるモースとの確執
ベルリンモデルの帝都改造計画―建築家エンデとベックマン
帝国ホテル草創期のドイツ人支配人―フライク兄弟
三囲神社とプロイセン警視庁警部―日本警察の父ヘーンの碑
日本陶磁の改革者ワグネルと東京工業大学―職業技術教育に尽くした科学者
浜離宮を訪れたオーストリア皇太子―サラエボで暗殺されたフランツ・フェルディナント
製薬王、星一によるドイツ学術援助―アインシュタイン来日とベルリン日本研究所設立
ドイツ人園芸家ウンガーと日本産植物―奄美の花弁を“発見”したプラントハンター

著者等紹介

クライナー,ヨーゼフ[クライナー,ヨーゼフ][Kreiner,Josef]
1940年ウィーン生まれ。民族学者。ウィーン大学卒業。同大学教授、同大学日本文化研究所長を経て、現在ボン大学教授、同大学日本文化研究所長。この間、ドイツ‐日本研究所長

安藤勉[アンドウツトム]
1947年生まれ。上智大学外国語学部卒業。同大学大学院修士課程修了。日独・日欧文化交流史専攻。日本医科大学助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

17
1996年初出。 ワーヘナールは神経質で、偏屈で〝雷男〟(51頁)。 コイサン語(アフリカ南部)の初の辞書を編纂(53頁)。 随所に写真や資料が掲載されており、 史料としての価値も高いと思う。 日本警察の父ヘーン(140頁~)。 ヘーン氏は今の警察官の体たらくをどう思うだろうか? 24歳のバカップルが拳銃で殺してとか、 銃は市民を守るために使うものではないのか? それに、先ほどの違法駐車の件で あの電話対応はおかしい。 2014/04/14

KAZOO

3
著者はドイツ歴史民俗学の大家でしかも若いころに日本に留学して、日本のことにもかなり詳しいという学者です。江戸時代から古い東京に実在したドイツ人やドイツとかかわりの深い人物をめぐっての日本論だと思いました。当然ドイツのことなどもかなり詳しく書かれていますが、あまり知らなかった人物を知ることができて有益でした。トク・ベルツについても分析してほしいと思います。2014/04/24

いちはじめ

2
日・独交流に貢献した人々の事績を検証。個人的には、SF作家星新一の父、星一によるドイツ学術援助に一章を割いていたのが興味深かった2004/01/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/57395
  • ご注意事項