内容説明
本書は、詩歌の主題の時代的変化、女性の恋歌、長歌と旋頭歌、和歌の中の花、連句と歌謡などを語りながら、日本詩歌の特徴とその魅力を歴史的に考察したものである。著者の柔軟で豊かな視点は、世界的な広がりをもつ詩意識に連動して、たとえば、『万葉集』に人間の戦いのドラマを見、『新古今和歌集』に暗く思いつめた忍ぶ恋を指摘する。かつてないこれらの鋭い問いかけは、そのまま一種の比較文化論、日本文化論にもなっている。
目次
第1章 詩歌の主題の時代的変化
第2章 独り寝のテーマについて
第3章 女性の恋歌1―大伴坂上郎女と額田王
第4章 女性の恋歌2―笠女郎と狭野茅上娘子
第5章 女性の恋歌3―和泉式部
第6章 長歌と旋頭歌について
第7章 和歌の中の花
第8章 歌人の視点・その変遷
第9章 連句と歌謡