講談社学術文庫<br> 工場日記

講談社学術文庫
工場日記

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 268p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061587533
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0136

内容説明

人間疎外が深刻化した1934年のフランス。ヴェイユは工場にはいった―冷酷な必然の定めに服し。抑圧と隷属の世界、悲惨な労働者の側に身を置き、屈辱に耐えつつ激しい宿痾の頭痛と限りない疲労の中で克明に綴られた日記は、底辺からの叫びであり魂の呻きに似た苦痛と怒りの証言である。絶対の愛に憑かれたヴェイユが、工場生活での体験を普遍的な人間本来の生存の条件の考察にまで高めんとした真摯なヒューマンドキュメント。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

5
この本を読んでいる時、勢古浩爾の『思想なんかつけいる余地のない生活がある』という言葉が頭から離れなかった。劣悪な環境の中で働き、疲れのあまり思考を停止させてしまうという誘惑。この壮絶な労働日記からうかがえるのは、労働の人間疎外の最も激しい一面である そのような中で、諦めに屈する心性を感じながらも、そこからさらに思索を進めるヴェイユはさすがというべきか。だが、このような苦行の中から生まれる思想、そういう人間が、今まで求めなかった思想を求める。そういうこともあるはずだ。時を超え未だに示唆深い2011/01/04

金平糖

1
B。2021/12/08

アンブレラ☆

1
隷属状態にいたために、わたしは自分にも権利があるのだという感覚を、すっかり失ってしまった。人々から何も手荒な扱いを受けず、なにも辛抱しなくてよい瞬間があると、それがわたしには、まるで恩恵のように思える。そういう瞬間は、天からくだってくる微笑のようなもの、まったく意想外な贈り物だ。こういう精神状態をこれからもずっと持ち続けていきたいものだ。これは理屈にかなった状態でもあるのだから。(抜粋)2012/09/22

wadafumiya

1
蟹工船よりもこちらが読まれるべきなんである。考えてもみましょう、酷い頭痛持ちの不器用な哲学教師が工場で働くのですよ、痛々しいことありゃしない。が、彼女は一年で辞めたので(というか一年休暇をもらい工場で働いていた)まだいいが、他の労働者はそうはいかなかった時代。身につまされますよ。2011/10/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/483777
  • ご注意事項

最近チェックした商品