角川叢書
喜劇の殿様―益田太郎冠者伝

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  • サイズ B6判/ページ数 232p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784047021228
  • NDC分類 912.6
  • Cコード C0395

内容説明

明治財界の大立者を父に持つ大富豪の御曹司であり、自らも実業家でありながら日本の喜劇作家の草分けとなった益田太郎冠者(一八七五‐一九五三)とは何者か―。音楽喜劇やコント喜劇という新しい演劇ジャンルを開拓、浅草オペラや宝塚レビューの誕生にも多大な影響を与えたにもかかわらず、日本の近代演劇史から無視されてきた太郎冠者の生涯と足跡を丹念に追い、演劇界と明治、大正、昭和の時代を写す、迫真の伝記読み物。

目次

「ハイカラ通人」
生い立ち
太郎冠者の誕生
帝国劇場開場前後
女優養成のこと
帝劇女優劇の座付作家
帝劇初期の代表作
森律子とのこと
益田常務の“宴会遊び”
小唄と落語の仕事〔ほか〕

著者等紹介

高野正雄[タカノマサオ]
昭和6年(1931)11月、東京生まれ。昭和25年(1950)早稲田大学露文科入学。昭和31年(1956)毎日新聞社に入社、社会部を経て、学芸部の記者となる。獅子文六氏の連載小説を担当
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感想・レビュー

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gtn

12
益田太郎冠者の足跡は、単にお大尽の道楽に留まらない。まず、帝国劇場における女優の育成。それまで芝居は男の世界であった。それから、喜劇の創作。当時、お笑いは足元を見られていたが、ボードビルやオペレッタの風を日本に吹き込んだ功績は大きい。とはいえ、やはりお大尽だった。会社員の初任給が数十円の時代に、女優たちへ一回数千円の手当を出す。おかげで、生活のために芝居を捨てずに済む。その意味で、歌舞伎に対抗する真の「新派」を作ったのは益田ともいえる。2019/06/22

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