内容説明
一本のはりとひとつまみのモグサ―この極めてシンプルな道具で万病に対処する鍼灸術は、代替医療への世界的な関心の高まりを背景にあらためて注目されている。無数の流派・会派を超えて、日本各地で活躍する鍼灸師に取材し、その治療の実際、彼らの生の思想や生き方の紹介をとおして、鍼灸という伝統医療の可能性と面白さを伝える。
目次
第１章 鍼灸―自然治癒力の医術
第２章 経絡とツボの不思議
第３章 わざの世界
第４章 鍼灸を科学する
第５章 自律神経免疫療法の誕生
第６章 お灸の里づくり
第７章 いのちを守り育てる
第８章 生き方の医学
著者等紹介
松田博公［マツダヒロキミ］
１９４５年神戸市近郊に生まれる。２００５年１月まで共同通信編集委員。女性運動、子ども、思想、宗教、医療などを取材する傍ら、東洋鍼灸専門学校で学ぶ。鍼灸師、鍼灸ジャーナリスト（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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UK
5
全国の鍼灸師を訪ね歩いてその手技を紹介する。様々な手法が記載され、鍼灸と一言で括れない様がよくわかる。原理はともかく鍼灸の効果は海外でも科学的に検証されつつある由。高騰する西洋医療費に比して鍼灸は非常に安価。米国などの国家が動くのもワカル。鍼灸は本人の治癒力を効果的に呼び覚ますだけ。その方法が千差万別であるのも一面うなずけるが、体系化して蓄積していく努力を日本国レベルでやってもいいのでは。練達の師の知見が四散・風化してはあまりにも惜しい。家族用に自分でも勉強したくなってしまう。 2014/02/27
霧子
4
何度か読もうと試みても、学生時代にはキャパオーバーだったこの本。やっと、読めました！！神業のごとき技の宝庫として読むよりも、明日の臨床のヒントを得るために読む。2013/06/27
フロム
3
鍼灸でまず一冊と言われると本著か「鍼灸真髄」かなのだが。出てくる人が名人とか達人なので「こう言うケースもあるんじゃない？」程度にとどめておく事のが良いと思う。そこまで鍼灸でホイホイ病気は治らないよ。 あんまり間に受けすぎない方がいいと思う。2023/08/16
Akiro OUED
3
肌の浅い部分の刺激で体調が変化することを実感してたことから、この本が紹介する治験例は、その通りだと読めた。ポックリ逝ける肉体造りが、鍼灸の一つの目標だとすれば、アルツハイマーを治したり、無理なく禁煙させたり、嘘つき政治家の舌を麻痺させたりする鍼灸術こそ、世界は待っている。2022/02/25
Ya
3
流派に迷ったときに再読したい。様々な流派の治療の仕方、考え方に触れられる。師から学んだり、開発したり。同じ流派でも自分なりのやり方に昇華させる。いつも思いを馳せてしまうのは、そこへ辿り着くまで長きに亘る試行錯誤期の患者たち。最初からできる人なんていないけど。東洋医学には、最後の最後に辿り着く人も多いから、何とかみんな良くなっていてほしいなぁ。合う・合わないで、良くなる・ならないを考えた方が気楽かもしれない。この本に掲載されているような凄い方達でも、きっとそういうことはある。地域的に偏ってないのが良かった。2019/09/03
