岩波新書
リストラとワークシェアリング

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  • サイズ 新書判/ページ数 213p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004308348
  • NDC分類 366.2
  • Cコード C0234

出版社内容情報

高まる失業率,人べらしリストラ,サービス残業と長時間労働-企業社会の現実を綿密に分析し,ワークシェアリングによる打開のモデルを提示.日本での厳しい条件を考慮に入れながら,実現の可能性を真摯に提言していく.

内容説明

高まる失業率、熾烈な人べらしリストラ、職場ではサービス残業と長時間労働、そして低賃金のパートタイマー。こうした企業社会の現実を綿密に分析し、打開策としてのワークシェアリングを、“一律型”と“個人選択型”モデルを設定して論じる。日本での厳しい条件を考慮に入れながら、実現の必要と可能性について真摯に検討、提言していく。

目次

1章 労働の暗い状況のなかから(労働をめぐる四つの現実;ワークシェアリングのかたち)
2章 失業とリストラの今日(失業という現実;人べらしリストラの多様性;「希望退職」の虚実)
3章 雇用機会をわけあう思想と営み(欧米におけるワークシェア;日本のワークシェア;ワークシェアは日本の職場ではなぜむつかしいのか)
4章 フルタイムの短縮、連帯のワークシェア(働きすぎという現実;“一律型”ワークシェアの方途;労働市場の新しいかたち)
5章 パートタイムの均等待遇、選択のワークシェア(“個人選択型”ワークシェアのニーズ;現代日本のパートタイマー;パートタイマーの処遇改善;むすびにかえて)

著者等紹介

熊沢誠[クマザワマコト]
1938年三重県に生まれる。1961年京都大学経済学部卒業。1969年経済学博士。専攻は労使関係論、社会政策論。現在、甲南大学経済学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

10
10年前の本。冒頭の英国の諺。いいですね。〝A problem shared is a problem halved.〟問題共有は特に大事。39頁~の内容は、SNEP中年無業問題。まだこの当時取沙汰されない。極端な正社員の長時間労働に対し、NEETという労働ゼロの存在。格差は悪くないといった小泉元首相であるが、人生格差に直結しているのは否めない。著者はハロワの職種不問は個性の時代と矛盾すると指摘(42頁)。合点だ。少ない所得でも奪い合いとなっている労働市場。高給は理不尽蔓延。過労死する前に不労者が交代を。2013/08/05

カモメ

3
「なかま」を大切にされているとすごく伝わりました。能力主義で競争志向にとらわれ、ワークシェアに必要な連帯が風化しています。ワークシェアを実施した時の賃金を試算されていましたが、男性正社員の賃金は下がるのもやむを得ないです。しかし当事者からは反発の声が出てくるだろうと容易に想像出来てしまいます。労働組合も、労働者全体の声が反映されるよう非正規等多くの人たちに開かれたものでなければいけないと感じます。幸運に「勝者」となれても大多数は「ふつう」の人たちです。また、転職について言及してあったのも興味深かったです。2017/05/28

takao

2
ふむ2024/05/02

kojikoji

1
学術的な内容。この頃、フランスなど西欧諸国では労働規制の改革が推進されているようである。仏はワークシェアリング的な要素の強い改革案を進める。これからの進捗を見守りたい。2013/01/13

まーく

0
ワークシェアリングを勉強するのに巧くまとまっている2012/07/08

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