出版社内容情報
十五世紀までビザンツ帝国の首都として千年の栄華を誇った大都会コンスタンティノープル(現イスタンブール)――そこで,皇帝と市民はどのような政治を演じたか.歴代皇帝のうち半数がクーデターで失脚という壮絶な抗争の陰に,どんなドラマがあったのか.権力と大衆,さらには国家と選挙と革命をめぐるダイナミズムを生きいきと描く.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じょあん
1
ビザンツ(中世ローマ帝国)の皇帝はどのように選ばれたのか? 国家と皇帝はどのように認識されていたのか? 「革命」が国制から逸脱するものではないという独特の劇場国家ビザンツの実態を描く。2021/07/09
すばる
1
三十数年前に自分で初めて購入した岩波新書を再読してみた。カタカナ人名を気にせず読み進めると、ビザンツ帝国で繰り返された革命劇場がいきいきと浮かんで来た。専制君主である皇帝を戴きながらローマの君主制とも違う。皇帝選出にコンスタンティノープル市民が重要な役割を持ちながらもギリシャの民主制とも違う。下層民から皇帝にのし上がることが可能な流動的な社会。読み終えてみると歴史書というより、物語だった。改めてまえがきを読むと「プロローグとエピローグ付きの六幕物オペラ」とある。なるほど!2020/10/30
(ま)
0
帝都市民プライド 皇帝になるのも大変だ・・・2021/06/04