出版社内容情報
人それぞれに音楽を聞き演奏して楽しむ.しかしさらに深く音楽の世界へわけ入るには,音楽の基礎的な規則を知る必要がある.本書は,作曲家としての豊かな体験にもとづいて音楽の基礎を一般向けに解説したユニークな音楽入門.静寂と音との関係から,調性・和声・対位法までを現代音楽や民族音楽を視野に入れつつ詳述する.
内容説明
人それぞれに音楽を聞き演奏して楽しむ。しかしさらに深く音楽の世界へわけ入るには、音楽の基礎的な規則を知る必要がある。本書は、作曲家としての豊かな体験にもとづいて音楽の基礎を一般向けに解説したユニークな音楽入門。静寂と音との関係から、調性・和声・対位法までを現代音楽や民族音楽を視野に入れつつ詳述する。
目次
1 音楽の素材(静寂;音)
2 音楽の原則(記譜法;音名 ほか)
3 音楽の形成(リズム;旋律 ほか)
4 音楽の構成(音程;和声 ほか)
著者等紹介
芥川也寸志[アクタガワヤスシ]
1925‐1989年。1949年、東京音楽学校研究科卒業
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
31
難しいけど「基礎」。読んで行くうちにその疑問は氷解する。音楽はどんな事柄をそのバックに持っているのか、音楽を成り立たせているものは何かを述べた本。音楽理論を語りながら、音楽の哲学を語った本と言っていいだろう。高校1年のとき、背伸びして読んだ記憶がよみがえる。2013/11/23
vinlandmbit
30
趣味としての音楽の演奏を本格的に行っていた頃に学ばせてもらった一冊。2015/10/24
ひなっとぉ
21
71点…まさに音楽の基礎的な内容を網羅していますが、ガチガチの理論ばかりでないので楽しく読めました。たとえば、『同じフォルテ記号でもモーツァルトのフォルテとプロコフィエフのフォルテではニュアンスが違う』だとか、『クレッシェンドの記号が演奏者にもたらす緊張感が音勢を強める』など、なるほどなことがいっぱいでした。現在の作曲家や演奏家に辛辣な姿勢を見せているのも興味深かったです。『すべての音は発せられた瞬間から静寂に向かう』名言です。2011/06/10
Kano Ts
20
確かに「音楽の基礎」としてはいい1冊ではないでしょうか。細部への深入りは避け、基礎となる知識をできるだけ伝わるよう表現していることはわかります。他の楽典の本でわからなかったことがさわりだけでも分かったと思えるのはありがたい。コラムなど読み物としても面白いです。でも、やっぱり。一読しただけじゃちゃんと理解できてないんだろうなぁ。音楽理論って結構難しいですよね。2023/02/02
ヘビメタおやじ
16
おっさんになってから楽器を始めました。中学時代に音楽の授業をちゃんと聞いていなかった私のような人間にはありがたすぎる本です。楽譜に片仮名でドレミを書いていた私には、金田一少年かコナン君のような存在でした。ト音記号とハ長調の意味が生まれて初めて分かりました。専門的な楽典ではなく、新書にふさわしい、素人にも音楽の全体像が分かる文章が素晴らしいです。書き出しの「静寂の美」に対抗するのが「音楽の美」という部分に頭を殴られました。ともかく、どの章を読んでも冷静でありながら情熱的な音楽への愛が感じられました。2019/08/10