岩波文庫<br> マリヤンヌの生涯 〈1〉

岩波文庫
マリヤンヌの生涯 〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 289p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003251720
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ボルドー行の車中追剥ぎに襲われ,赤児を残して乗客はみな殺しになった.村の司祭に育てられたマリヤンヌは,司祭兄妹の死後信心家で評判の老人の手に渡される.しかしその老人は実は好色漢であった.そのうえマリヤンヌの初恋の青年が好色爺の甥であったとは…….女性心理の分析家として屈指の作者の筆になる波瀾多き女の一生.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ラウリスタ~

6
これは面白い。18世紀の中葉に書かれた小説。マリヤンヌっていう娘がどんな世間の荒波を乗り越えていくかっていう波乱万丈の物語。プロットがサドの小説となんか似ているから(善良で信心深げなおじさまが、欲望丸出しで迫って来たり)途中ひやひやするけれども、今のところマリヤンヌは無事みたい。もうおばさんになったマリヤンヌの語りっていう体で、ストーリーンに倍する省察がこの小説の中核であるよう。だからといってストーリーがつまらないのではなく、むしろ非常にスリリング。2014/05/17

きりぱい

6
戯曲じゃなくて小説かーと思ったけれど、ある婦人が身の上を綴った原稿を作者が発表するという体裁で、あたくしは・・という語りの調子が読みやすく、いたずらな運命をどう切り抜けるか隠さない心理の細かさがなかなか面白い。追い剥ぎに遭って生き残り、両親が誰かも証が立たないまま養い親となった篤実な司祭兄妹も亡くし、15歳で一人生きてゆくことになった世間知らずで器量よしのマリヤンヌ。施しのはずが迫られ、貞操観念の小説『パミラ』を思い出すけれど、うぶながら人の考えを見抜いて振る舞えるコケットの素質ありと、先が楽しみ。2013/12/02

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