出版社内容情報
幼い日の出会いから,文学の,そして人生の先輩として敬愛しつづけた「のぼさん」との交流を語る.高浜虚子を始め新海非風,五百木飄亭ら同郷の若者たちと共に成長してゆく明治の青春が多角的に描き出される.(解説=平出隆)
内容説明
幼い日の出会いから、文学の、そして人生の先輩として敬愛しつづけた「のぼさん」の思い出を、豊富な書簡をまじえて多角的に語る。高浜虚子を始め新海非風、五百木瓢亭ら同郷の若者たちとの交流が生き生きと浮かび上がる、明治の青春記。「付録」に、家庭での子規の姿を語る母と妹の聞き書き等を収録する。
目次
木入れ
詩会
其戎宗匠
野球
処女作
七草集
寄宿舎生活
三つの会稿
小説会
廻転期〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうゆうpanda
31
子規と虚子と碧梧桐。同郷の俳人の奇妙な三角関係の核心に触れてしまったような、あまり気持ちのよい感じがしない読後感。子規の明晰さに憧れを持つ碧梧桐。しかし悲しいかな、頭の柔軟さに欠けるようである。子規の書簡を律儀に載せて、子規の前半生を描き出そうとする態度は、師匠に対する尊敬がひしひしと感じられるものの、生真面目で面白味に欠ける。先日読んだ虚子の『子規と余』の方が、柔らかい文章で自分の目に映ったものを著していて面白かった。俳味があるということだろう。子規は虚子に片思い、碧梧桐は子規に片思い。素質って残酷だ。2017/04/21
しーふぉ
17
正岡子規の郷里の後輩であり、俳句の後輩でもある著者の子規についての思い出を書いたもの。正岡子規も小説では評価を思ったほど得ることが出来ず挫折を感じていたのか。正岡子規を知ることが出来るというより、正岡子規を語ることで河東碧梧桐を知ることが出来る。2016/02/13
おすとりっち
0
ちまちま読み進めていたのを漸く読了。のぼさんの書簡に関しては正直私の脳みそでは難しかったけれど、全体として興味深い内容でした。個人的に三津のイケスとのぼさんと食物のエピソードが面白かったです2019/04/02