出版社内容情報
「武士道はその表徴たる桜花と同じく,日本の土地に固有の花である」.こう述べる新渡戸(1862-1933)は,武士道の淵源・特質,民衆への感化を考察し,武士道がいかにして日本の精神的土壌に開花結実したかを説き明かす.
内容説明
「武士道はその表徴たる桜花と同じく、日本の土地に固有の花である」。こう述べる新渡戸は、武士道の淵源・特質、民衆への感化を考察し、武士道がいかにして日本の精神的土壌に開花結実したかを説き明かす。「太平洋の懸橋」たらんと志した人にふさわしく、その論議は常に世界的コンテクストの中で展開される。
目次
道徳体系としての武士道
武士道の淵源
義
勇・敢為堅忍の精神
仁・惻隠の心
礼
誠
名誉
忠義
武士の教育および訓練
克己
自殺および復仇の制度
刀・武士の魂
夫人の教育および地位
武士道の感化
武士道はなお生くるか
武士道の将来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
meh_mmm_meh
2
日本の変貌は全世界周知の事実である。かかる大規模の事業にはおのずから各種の動力が入りこんだが、しかしもしその主たるものを挙げんとせば、何人も武士道を挙ぐるに躊躇しないであろう。2014/12/21
Uzundk
2
難しい。言葉使いもそうだし、もともとの読者である西欧知識層のコンテキストにのるために西欧文書からの引用も多く知識が無いと理解が及ばない点も多い。しかし、当時が如何に白人至上な傾向であったのか、武士道と騎士道を並べて対等であること、それぞれの国が持つ精神様式が互いに勝る劣るの関係では無いと言うことを強調している。同時に私達が西欧のコンテキストを理解したとき、よりよいコミュニケーションがとれるようになるのだと思う。時間をおいてまた読みたい。2014/09/19
フィ
0
武士は、危険時や死の脅威等、どんな境遇でも平静、余裕を保つこと、義と仁の両立を目指す。本書では、切腹は自殺ではなく罪を償うこと、あるいは自己の潔白を示す儀式としての面を強調。ミットフォードの文の引用では、眼前に生々しくその一部始終が目に浮かび衝撃的だった。刀は、武士の魂であり、自尊と責任の象徴で、武士がこれを所持することにより社会秩序が形成されていたと言われる。武士とは名誉と勇気であるとも。武士の厳しく高潔な精神性に惹かれた。2016/04/24
wasabi
0
かつては太平洋を越えて日本人の精神を伝えんと著された論も、今では我らへの贈り物だ。もっとも、著者は武士道の失われゆくことを予見しているのだから、この著作の逆輸入も想定していたに違いない。2012/05/25
rice5baller
0
武士道に触れて、新渡戸稲造の語る武士の価値観を学び、改めて自分の生き方や思考に結びつけてみると、自分がいかにゆとりかがわかる。今度は彼の著した文章、すなわち英文で読破したい。2012/05/19
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- 和書
- ことばの対照