「敗者」の精神史

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  • サイズ B6判/ページ数 572,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000029667
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0021

出版社内容情報

淡島椿岳・寒月,土田杏村らは明治維新以後の階層秩序から離れて独自の道を探究し,吉野作造は多様な魅力ある人々とつながっていた.本書は「敗者」の視点で近代日本を見直し,彼らの中から知的遺産を発掘する.

内容説明

淡島椿岳・寒月、大橋佐平・新太郎、土田杏村など、明治維新以後に形成された階層秩序から離れて、もうひとつの日本をつくりあげて来た人々がいる。また、吉野作造は明治文化研究会などを通じて多様な魅力ある人々とつながっていた。本書は「敗者」の視点で近代日本を見つめてきた彼らの生き方の中から、今日われわれが学ぶべき知的ラディカリズムの原点を発掘する。

目次

1 明治モダニズム
2 近代におけるカルチャー・センターの祖型
3 軽く、そして重く生きる術
4 明治大正の知的バサラ
5 敗者たちの生き方
6 敗者たちへの想像力
7 明治出版界の光と闇
8 青い眼をした人形と赤い靴はいてた女の子の行方
9 二つの自由大学運動と変り者の系譜
10 大正日本の「嘆きの天使」
11 小杉放庵のスポーツ・ネットワーク
12 「穢い絵」の問題
13 西国の人気者
14 幕臣の静岡

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

64
山口 昌男の本を読むのは四半世紀ぶりじゃなかろうか。往時は活躍ぶりが目についたものだったが。その名を久しぶりに目にしたのは、過日読んだ高山宏の本だった(彼も山口には一目置いていた?)。2023/05/08

iwasabi47

3
この本のお陰でこの後に読んだ『武蔵野をよむ』の参考になった。明治の多層性に考えさせる本。最近歴史学からそういうアプローチで手軽な新書などでさらに勉強したい。2018/08/30

猫風船

2
長くて難解な本かと思いきやなんのその、エピソード満載の楽しい本でした。第8章「青い眼をした人形と赤い靴はいてた女の子の行方」が面白かった。昭和二年頃に、日米親善の名のもとにアメリカから贈られ、全国の公立学校に配布された一万数千体の「青い眼の人形」。「やさしい日本の嬢ちゃんよ仲よく遊んでやっとくれ」という歌まで流行。しかし、第二次世界大戦末期、集団ヒステリーを起こした国民は、「青い眼の人形」にその感情を叩きつける。一万数千体あった「青い眼の人形」は、その際ほとんどが破壊され、現存するのは百数十体だとか。

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